keizanjukuのブログ

迷う時、困った時、易の言葉の中に最善の解決策があります。易学講師30年の経験に学んだ、生き方の知恵をお伝えするブログです。

❸新年おめでとうございます。

平成最後の年になりました。30年前は様々な所で自粛の行動があり、平成の夜明けは国全体が喪に服すように、ひっそりとしていました。

この度は、天皇陛下のご希望がかない、ご譲位となりましたので、時代の移り変わりを祝事ととらえられます。また何となく心に余裕が生まれ、個々の生活においての備えにも気が及ぶように思います。

易に雷地予〔らいちよ001.000〕という卦があり...あらかじめ変化の時に備え、油断せず準備をしておけば、未来を喜びに向かい切り開いていけるだろう...と説きます。予は、良い時に浮かれず、やるべきことは怠たらず、あらかじめ備えることのススメです。

私は皇后美智子様を尊敬し、敬愛してきました。昨年末の平成天皇の最後の誕生日のお言葉の終りに、国民と、国民の一人であった皇后陛下への深い感謝と労りを示されたことに深く感動し、お二人への感謝の涙がこぼれました。そして、美智子様と共に、少しでも長く平穏なご余生を楽しんでいただきたいと、国民の一人として心から願っていました。

あらかじめ道を示された事は、國民の未来が歓びに向かい開かれることを願ってのご決意と思えます。

平成の時代は終わりますが、新たな時代がどう開かれていくか、私も油断せず、やるべきことを怠らず備えなければと思います。

易のことば 2

 
 
 

1この世界は陰陽の変化により無限の循環が保たれている

易の卦は万物万象の変化を表す方程式(啓山易の卦は、陽は1・陰は0で表します)

 乾為天(111.111)は天(111)と天(111)が重なり、陽の気が満ちている様子です。

そして易の陽(1)は発展の力、進化する勢いを示します。

 人の願望や欲望は発展するための力で、あらゆる欲を失えば人は衰退し滅んでしまうでしょう。

 人の欲望は発展を促しますが、きりがない欲望の行きつく先はと考えてみます。

食欲・性欲・出世欲・金銭欲・支配欲…が果てしなく極まると大変に恐ろしい事になりそうです。

 人の欲望や生長は窮まれば逆に生命力を削ぐもので、そうすると陽ばかりの乾為天は欲望の塊にも見えます。 逆に坤為地(000.000)は地(000)と地(000)が重なり、陰の気が満ちています。 陰ばかりの坤為地は暗く寒い闇に閉ざされた状態に見えるでしょう。  

 易はこの世界が無限の循環により保たれていることを、陰陽の変化により説いています。 月は満つれば欠け、太陽は昼と夜を作り出し、自然界は時間と共に限りなく循環していく仕組みが働いています。  乾為天の表すのは、陽気溢れる生命力に満ちた状態です。陽気に満ちた世界は沈まぬ太陽に照らされるような状態で、安眠と休息のない状態が続けば生命は衰退してしまうでしょう。しかし極まれば通じるのが自然界の働きで、下から徐々に収束を促すように陰気が上昇していき、無限の循環が保たれています。

 そして最後に陰気が極まる坤為地(000.000)に至り、人が眠りに付くように生命の働きが終息していきます。坤為地(000.000)は発展の動きが止まり、一見衰退の極みに見えますが、実は深い安らぎとエネルギーを充電し生命を育む働きそのものなのです。

 易は、完全な陽気に満ちた偉大な天の働きを自然界の「父」と呼び、その陽気を受けて地上にあらゆる生命を生み出す大地の働きを「母」と呼び、天地・父母は万物を生み出す特別なはたらきとして位置付けています。

2万物を想像する天のはたらき・乾為天(111.111)

  満つれば欠け窮すれば通じる発展の道

易経は竜に例えて陽気満ちる乾為天を説いています。

陽が父であれば、乾為天(111.111)は男性の成功の道ともいえます。

6爻(111.111のように6本で表す一つを爻という)が示すのは、初めの陽爻(111.111)は潜竜といい、能力に秀でた者も時勢に恵まれず立場をもたない状況では、うかつにその才気を表に出さないようにという教えです。また秀でた者は才をひけらかさず深く潜んでいることにも例えます。いずれも時期や状況が悪い時に才知を表に出すことは危険であると言っています。初爻は子供から青年期まで、あるいは会社なら平の社員、社会的に弱い立場などを示します。こういう時に才気走ると上位のものからつぶされる心配があり、また支配層の勢いが強いために、その才が生かされる機会がなく発展できないという状況が見えます。初爻の潜龍は「龍が水底に潜っている」状態を例えています。

 次の二爻(111.111)は、能力を見出され高い評価を受けるが、慢心することなくさらに良い指導者について研鑽し、その才気をさらに生かす時が必ず来るとを言っています。若いときに良い指導者についてその才能に磨きをかけることのススメでもあります。

人なら二十代はまだまだ力量や経験が不足であるから、焦らずに良い師や指導者の下で、より研鑽してその才能や人間性を磨いておくことが必要です。会社で言えば課長や係長、能力を見出されて期待をかけられますが、まだその上には複雑な人間関係があり、権限も限られ伸び伸びと手腕を振るう状況ではありません。

良い人に付けというのは若者が社会で芽を出し浮上するために重要であるという事の教えでもあり、優れた人の周囲には優れた人達のつながりがあり、ついて学びを深めればいつか必ず自分の能力を生かすチャンスが来ると説いています。二爻は「見龍在田」といい、龍が姿を表してその才徳が知れ渡るが、まだ田にありとは大空に飛び立っていない状態です。次に続く「利見大人」は、さらに優れた人の指導を仰ぎ一層その徳を磨いて備えよとつなぎます。

 三爻(111.111)は、勢い付いて調子に乗り過ぎ、慎みを忘れると危ういことになると警告します。頭角を表す三十代、四十代は、自信過剰に陥りやすく、敵を作りやすい時期でもあり、失敗して才を無駄にするなと行動を戒めます。三爻は「君子終日乾乾」「夕愓若」とあり、権限や立場を得て調子に乗って動きすぎている状態で、慢心せず常にその務めを怠ることがないよう、反省黙考して一日を終わることの大切さを説きます。

会社でも部長クラスになると、次は役員かと希望や欲が膨らみます。そこで張り切って調子に乗り動きすぎると、上に睨まれたりライバルを刺激して足を引っ張られる事になりかねないという警告です。挫折せず確実に務めを果たすために、日々反省して終わろう。そうすれば災いを免れるだろうと結んでいます。

 四爻は飛龍となり、いよいよ龍が飛び立ち飛躍する時が来たこと示します。しかしなおも淵に沈んで力を蓄えよと言っています。四十代は組織の中核を成す時期。下にも上にも期待される時期ですが、上に昇るにはさらに狭き関門を通り抜ける能力が求められます。会社なら取締役クラスでトップに近く、下にも多くの部下を持ち、社内には派閥があれば、一つ対応を間違えば大きな責任を負うことになるでしょう。より一層の慎重さと発展の欲望を抑えることが求められます。

 そしてようやく五爻(111.111)に至ると昇竜となり天に達する時の利を得ます。しかしそうなっても尚、より優れた人物に教え学ぶことが大切だと説きます。五爻は発展を極めたトップの座を示し、能力実力に加えて万事中正公正に対処することができる、高い徳を備えている人だからこそ到達できるのです。高い徳を備えても尚、さらに優れた人物を求めて教えを乞う謙虚な人物であり、まさに君子の鏡です。易は五爻が最高位で、この上の六爻は上爻といい、功績を残して悠々自適の人生を送る立場になります。

最後の上爻(111.111)は、亢竜といい、陽気が満つれば欠けていく道理を諭し、権力を永続することの厳しさを説きます。「亢龍有悔」亢龍悔い有りとは、群れをなす龍が雲に顔を隠している情景があり、いかに偉大な功績と徳をもつものもそれ自慢し誇ることなく、控えめにすることで万事が丸く収まるのです。会社なら会長職のような立場です。いかに貢献し業績を上げ成果を残して発展させてきた功労者であっても、退いて後進に道を譲ったなら、混乱を招かぬよう先頭に立って仕切るべきではないという教えです。

 万物の創造主であり、陽の極みである天の卦(乾為天)は万事に吉として、人の道は君子(優れた人物)の道を説いています。しかし才知に秀でた者でもやたらに才気を出すことを戒め、高い立場を得ても謙虚につつしみ深く事を行い、尚優れた人に学び続けることができれば、思うままにその能力を発揮できるだろうと説きます。しかしそうした成功した状態も極まれば衰退に向かうことは避けられず、その時に備えて人を育て、自ら築いた土台を固めて憂いなく潔く引く…繁栄を持続するための重要なヒントがあります。

3万物を育む地のはたらき・坤為地(000.000)

  生命を無限に循環するための絶対的はたらき

 天は万物を創造し生長発展させますが、満つれば欠けるのが自然界の道理です。しかし窮すれば通じるのも自然の働きで、天は次世代に種を残す重大な役目があります。

 人の人生では次世代に引き継ぐために…日々の営みなら安息と眠りを与えるために…坤為地(000.000)は、常に天と共に生命を無限に循環するための絶対的で最高のパートナーです。

そこで陰の坤為地は、柔軟柔順であることの強さを説き、理想的な女性の姿ともいえます。

陰は天の力により芽生えた万物を包容し、それを育みこの世に生み出す偉大な力です。

「柔は剛を制す」といい、柔順の極みである坤為地は偉大な強さを秘めています。

生命を生み出す母の強さであり、その陰徳は慈母の徳に例えられます。

受け身の極みですが、地が動く時の力は天を揺るがすほどの強い力を発揮するでしょう。「万物資生」とあり、坤(陰・女性)の偉大な包容力により、万物は伸び栄えるといい、「資生」という言葉は有名化粧品メーカーの社名に採り入れられています。

  坤為地の初爻(000.000)は霜降の情景です。霜が降りたら冬の到来を意識して備えることの教えです。陰は秋から厳しい冬へと向かう季節の変化に例えられます。霜は氷の季節の前兆で、まだ暖かな日もある中で急に冷え込んだある日、うっすらと霜が降りています。この時にああ冬が近づいていると気付くことが大切です。女性の立場とすれば、そこで冬支度をする意識をもって日常を切り替えることのススメです。

 二爻(000.000)は女性の徳性について説いています。一家の女性の主であるから主婦といいますが、女性は家の軸となる重要な存在です。本来女性は万物を包容する大地の徳を備えています。「直方大」「不習无不利」とあり、平らで四方に限りなく広がる大地のごとく、公正で曲がらずまっすぐに大らかな気持をもって進めば、無理をしなくてもものごとは順調に進んでいくだろうと説いています。

 三爻(000.000)は、天の三爻と同様に力をつけ才知に溢れていても、それを内に秘めて自分の道を守り、時が来るのを待つことの教えです。男女問わずある程度力をつけ立場を得てさらに上を目指そうと思うなら、認められ評価されても華やかな成功を願わず、終わりを全うすることだけを心がけなさい。そうすることが身を守る事なのだという教えです。「含章可貞」「或従王事」「无成有終」と三爻にあり、章・優れた才能を備えていても内に隠して王命(天命)に従い、功績を上げようと思わずひたすら与えられた役割を最後まで成し遂げる事が女性の道、臣下の道だと説きます。

 四爻(000.000)は地位を得てもなお慎み深く才知をひけらかさずにいれば、間違うことはなくまた栄誉もないが賢明で安泰なのだといいます。陰の卦は何とも我慢と忍耐の多い事かと思うかもしれませんが、これを難なくやっていけるのが女性の持つ優れた徳性であり、支える者の役割と捉えています。「括嚢、元吉」とあり、袋の口を堅く括れば、大いに吉であり、慎み深くいれば災いもなく栄誉もないがそれが安全であることを言っています。

 五爻(000.000)女性の最高位を示し、易は国母のあるべき姿に例えていますが、家庭の中心となる母の役割、社会の中枢で働く女性の成功を説きますが、現代では受け入れにくい考え方と思うかもしれません。しかし女性が本当の力を得るための重要なヒントであるようにも思えます。易の言葉は「黄袴、元吉」とあり、黄色は最高位の高貴な色,中央の色とされ、袴は身の下につける衣服です。つまり、国母となっても夫である王を立て支え従えば大いに吉であるということです。どれだけ成功しても、どれだけ高い地位を得ても慎みを忘れずにいることが陰の徳であり、繁栄と平和を保つ陰の力を女性の徳性に例えています。力を誇示して上を狙いその地位を奪おうとすれば、血みどろの争いになると次の上爻が示しています。

 上爻(000.000)は、陰も極まると陽と見間違うほどに強大になり、それは龍の姿にも見えてきます。龍は天の卦の象徴で、男性の力を表します。坤の卦が女性を主張するなら、上爻は二匹の龍が血みどろの戦いをしている情景です。流す血は黒と黄。王の妻が王を妻が夫をないがしろにしれば、おのずと争いがおこり国も家庭も乱れるでしょう。

陰の道は一貫して変わらない不変の道であり、大地のごとくどっしりと安定した状態です。大地が揺らぐことは母性が失われることでもあり、生命の循環に大きな影響が生まれます。枝葉を広げ花や実を成するとき陽が働き、葉も花も実も落として根幹を守るのが陰の働きです。陰陽は互いを補い支え合う中の道を探りながら相互に変化して、無限に循環していく自然界の仕組みそのものです。全て陽気の天の卦と全て陰気の地の卦の2つから62の子供の卦が生まれて合計64の卦となり、その一つ一つは万物を形成する数式であり方程式でもあります。

乾と坤の天地の卦は、発展と終息を繰り返す無限の自然界のはたらきそのものです。

*易のことばから、良い時は慢心せずに有事に備え、悪い時は希望を失わずに耐え、変化に応じ時に応じる強さ大らかさを感じていただければと思います。

 

 

〔乾為天〕と〔坤為地〕

 

啓山・易学塾・易学講座 : E3易経を読む ①「天と地の働き」

 

 

 

易のことば 1

1易とは何か?

 易というと、街の易者さんを思い描く方が多いかもしれません。それは易占といい、50本の筮竹(長い竹の棒)で占った結果を算木(陰陽の記号が記された木片)で表し、易経に基づいて出た卦(六十四卦)の意味を伝える占い方です。

今から三千年以上昔、古代中国の周代(BC1100年頃~)に「めどき」という植物の茎を用いたのが始まりで、漢代(BC200年頃~)には民間にも流行したといいます。この易占をきちんと行うのは結構手間がかかりますので、街頭では簡略化した方法が用いられることが多いようです。

易の文字の語源には「変化」という意味があります。万物に玉(太陽)の光が当たり変化していく様子から、日から差す光が易となったという説です。確かに太陽の陽の字の右側に易とありますね。

 本来の易は、万物の変化を陰陽の記号であらわしたもので、幻の易ともいう最古の易(先天図易)は陰陽の組み合わせで万物を表す数式でした。

数学と最古の易は密接な関係があると、私の著書『易でよみとく才能と人生』の中でも述べていますが、それは現代数学の二項定理そのものだったのです。

 伏羲(ふくぎ・中国神話の聖王)が創ったという最古の易から千年以上後の周代に、周の文王と息子の周公旦により、地上の季節に則した『周易(後天図易)』が創られました。周易は卦の意味を言葉で表した易経の原型(卦辞は文王、爻辞は周公旦と伝わる)といえます。

周易は後に孔子(BC551年~BC479)やその弟子たちにより、十翌(十扁の易の解説書・繋辞伝/けいじでん)が書きくわえられました。繋辞伝には易の原理と宇宙観が記されており、易経哲学書へと高められて儒教の思想に反映されていきます。

紀元前に表された易経ですが、そこに書かれている比喩(例え)で表された言葉の数々は、いつの時代も、あらゆる立場の人々にも応用できるもので、当然今を生きる私たちの日常にもとても役立つ知恵の宝庫です。

易経の根本に流れる思想は命の大切さであり、その言葉を読み解けば命を守る知恵が満ち満ちています。

数千年の時を経て現代に伝えられる易経は、とてつもない年月を読み継がれたロングセラーの書であり、易経の言葉の数々は、私たちの日常に起こるさまざまな問題を解決し、迷う時には生き方の目安となり、また発展を妨げる間違いに気づかせてくれます。

易を知ると、現実や自分を正しく知り、より良い変化へと導くために、立場や時々に応じて成すべきこと、進む方向を知ることができます。

これは、易経に書かれている易の言葉が、いつどんな時、どのように役立つのかを読み解いていくブログです。

*卦の見方

易の陰陽の記号を爻といい、八卦は3爻です。八卦八卦の組み合わせは六十四卦となり、易の卦は6爻で表されます。啓山易は易の卦の陰陽の記号を陰=0、陽=1で表しています。

例えば次の乾為天という卦は6爻全てが陽なので、乾為天(111.111)と表します。

また地天泰という卦は上の八卦が地(000)、下の八卦が(111)の組み合わせなので、地天泰(000.111)と表します。

*3爻で示す八卦…八つの要素で万物万象を表している

天(111) 沢(011) 火(101) 雷(001) 風(110) 水(010) 山(100) 地(000)